林業に外国人労働者が入ってくると

今朝の日経新聞3面で気になった記事、「外国人材 広がる定着の道」。

外国人の在留資格には大きく分けて、「身分による資格」と「仕事による資格」があります。身分とは、いわゆる日系人や日本人の配偶者などで、これらの方々は仕事の種類に制約がありません。しかし、仕事による資格では、その仕事しかできないという制約があります。

長らく日本は、「仕事による資格」を高度人材に限定していました。(大卒とか、10年経験とか)単純労働に外国人が入ってくることを、極力避けていたように思います。でも、日本人だけでは人手が足りない。そんな矛盾を解決(したかどうかは分かりませんが)したのが、技能実習制度でした。

でも、技能実習制度は「転職できない」とか、「妊娠したら本国へ送り返される」とか、「借金を背負って入国してくるので、稼げないと逃亡してしまう」とか、本当にいろいろな問題がありました。後進国へ日本の優れた技術を伝えるという建前と、人手不足を補いたいという本音が、矛盾しまくっちゃったんですよね。

そこで登場した特定技能という在留資格。ある程度の技術力と日本語能力を身に付けた外国の方々に与えられる在留資格で、今まで高度人材に限定してきた「仕事による資格」が大幅に拡大されました。ですが、やっぱりいきなりたくさん入ってきちゃうのも困る。人手不足が顕著な介護や建設業に業種を限定しよう。そんな訳で今まで12業種にしか、この特定技能という在留資格は認められなかったんです。

それがこの度、更に4業種追加になることが決まりました。自動車運送、鉄道、林業、木材産業の4業種です。私がこの中でも一番関心を持っているのが、ずばり林業!なぜなら、労災事故がとっても多い業種だからです。(だからこそ、今まで参入が難しかったとも言える。)

静岡県は県土の約6割が森林という、森の県です。当然、林業に携わる労働者さんが多いし、森林組合もたくさんあります。私は林業の関与先がないのであまり詳しくないのですが、仲間の社労士に言わせると「安全教育が心配」とのこと。そりゃ、そうですよね。ある程度の日本語能力があるとはいえ、林業の世界って専門用語も多そうだし。「伐倒方向よし!」とか。

今後は外国人も含め、安全教育が一つの鍵になりそうですね。せっかく日本に来てくださったのに、事故にあわせちゃったら大変!林業分野が得意な社労士さんが大活躍しそうな予感です。

因みに、農林水産省が作った労災事故防止のポスターがこちら!ザ・仕事猫シリーズ!仕事猫さんが「伐倒方向ヨシ!」って言ってます(笑)。